【今週の金言】
同じ手順、同じレシピ。 でも火加減が違えば 仕上がりは変わる。 弁当も、職場も。 あまべん
■ 「出来た!」が帰ってきた朝
4月1日。我が家で、新しい弁当箱に初めておかずを詰めた。
だし巻き卵はカステラみたいに膨れ、ミンチカツは焦げた。
魚焼き器の火力が、東京のコンロと全然違う。同じ手順、同じレシピ。でも火加減が違うだけで、仕上がりがまるで変わる。
職場も同じやった。
3月25日、東京で単身赴任最後の弁当を詰めた。それから6日間のブランクを経て、大阪の自宅で弁当作りを再開した。
1日目、カステラだし巻きと焦げミンチカツ。
2日目、魚焼き器の火力に合わせて加減を変えた。
3日目、だし巻き卵がちゃんと巻けた。全体の流れも掴めてきた。
新しい台所の火加減に自分を合わせていく。3日かかったけど、手と体が思い出してくれた。
毎朝繰り返してきた「型」は、場所が変わっても消えてなかった。
そしてもう一つの変化。弁当箱が変わって、おかずが1品増えた。東京の5品から6品へ。
弁当箱が大きくなった分、「出来た!」の中身もちょっとだけ増えた。
■ 想像していた景色と違う(古巣への帰還)
6年ぶりの古巣のビルへの出社。知ってる顔がたくさんいる。どこか安心できる場所に戻れると、心のどこかで思っていた。
現実は違った。
以前の職場でお世話になった上司に「戻ってきました」と挨拶に行った。「中に入ったら」と言ってくれた。でも、躊躇して、結局入らなかった。私はここに「戻ってきた」のではない。苦楽を共にした顔はほとんど残っていない。私を見て寄ってきてくれる人も少しはいると思う。でも、大多数が過去の経緯を知らない人の中で、わざわざ「昔ここにいました」と名乗り出る行為自体が憚られた。過去の栄光は今の私には必要がないんや。
これまでは「管理職」という肩書きが、ある意味で隠れ蓑になっていた。誰からも干渉されず、自分の城で黙々と作業できた。
去年の時点で戻っていたら、その城壁もないまま丸裸で放り出されていた。あの1年があったから、今ここに立てている。
ゾッとする、と同時に、あの1年に感謝する。
同じ処遇の同期は、3月末で退職した。「役職名で呼ばれなくなることに耐えられない」と話していた。その気持ちは、今の自分にもわかる。
■ IDカードと、習慣の恐ろしさ
出社2日目、IDカードを忘れた。
長い会社生活でも滅多にしなかった失敗。原因は単純で、いつもと違う引き出しに入れてしまっただけ。
たったそれだけのことで、執務室に入るたびに誰かに開けてもらうという情けない1日を送ることになった。
これ、弁当でも同じことが起きていた。単身赴任先の最後の週、いつもの場所にモノがなくなっただけで、弁当作りの余裕が一気に消えた。
仕組みというのは、「正しい場所に正しいモノがある」という、地味な前提の上に成り立っている。
その前提が一つ狂うだけで、全体のリズムが崩れる。習慣は恐ろしい。そして、ありがたい。
■ 台所の主導権争い
単身赴任中、台所は完全に自分だけの城だった。
自宅に戻って、その城は「共有スペース」に変わった。
4月から給料は半減する。その分、嫁も仕事に出ることになった。嫁が仕事の日は、自然と私が食事担当になった。ただ、台所の使い方、洗いものの仕方、一つひとつに嫁の流儀がある。自分のやり方だけでやってきた私とは真逆の考え方。キッチンを使うたびに文句を言われる(笑)。
また、自分だけなら自分が良ければそれでいい。でも口が増えると、どうしても「旨い」と言わせたくなり、慎重になってしまう。
でも、言ってくれん。
これも新しい「火加減」を覚えていく過程なのかもしれない。
……と思っていたら、週末に作ったファイトケミカルスープだけは一気になくなった。
ただ野菜と野菜くずを煮込んだだけなのに。凝った料理には何も言わず、一番シンプルなスープに「旨い」が集まる。
何だかなぁ(笑)。
■ 今週の気づき:順風満帆なら記事にならない
「順風満帆なら記事のネタにならない、葛藤があるから記事になることに気づいた(笑)」
金曜日の日報(テンプレ)に、そう書いた。
この1週間、火加減の失敗、入れなかった旧職場、IDカードの忘れ物、台所での摩擦。順風満帆とは程遠い。
でも、だからこそ書くことがある。だからこそ、弁当と同じで「今日も出来た」と言える。
完璧な1週間には、物語は生まれない。
【来週の予定】
来週は火曜と水曜に業務引継ぎのための出張。4月中はこれからも何度か出張する予定になっている。
サウナ好きの私は出張で有名なサウナに泊まりで行けるのが楽しみ(笑)。
そしてGWには学生時代からの親友と地方遠征ゴルフ。退職記念品の旅行券を初めて使う。
大事に持っていても仕方がないからな(笑)。


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